世界一周に出た理由
約8ヶ月旅をして残り1ヶ月半を残すのみとなりました。
そんな今思う事をただただ書いてみました。
面白くもなんともないやつ。
誰かを否定してるわけでも肯定してるわけでもないです。
私が思った事。
不快に思う人がいたらすいません。
旅をしていて、よく聞かれるのが
「なんで世界一周しようと思ったんですか?」
えっと、
行きたい国がいっぱいあったから。
見たいものがいっぱいあったから。
とりあえずウユニに行きたかった。
そしたら南米周っちゃおう。
南米行くならアフリカとかも行ってみたい。
アフリカ行くなら中東とか東南アジア通って帰って来れば効率的じゃない?
って繋いだら世界一周になってた。
それだけ。
世界一周に行きたいって思ってる人で、実際に行動に出ない人は、世界一周に夢や希望を抱きすぎてる人だと思う。
世界一周するのに大義名分なんてない。
行きたかったから!それだけ。
世界一周は人生の目標でもないし、最終目的でもない。
世界一周に出なくたって仕事辞める人はいる。
他にもやりたいことはいっぱいある。
やりたいと思ったことはやりたい。
想像出来ることは実現できるから。
世界一周して何が変わったかって?
何も変わってない。
私は旅に出る前から、潔癖気味で虫も汚いのも臭いのも苦手だし好き嫌いも多い。コミュ障だし。
旅に出たってそんなもん変わらないよ。
これが学生で、すごく若くてバイタリティに溢れててスポンジのように吸収率が高ければ違うかもしれない。
でも私も旦那もアラサーの頭の凝り固まった日本人。
いろんな国の文化に触れて、宗教を知って、暮らしを体験してみたけど…
だからって私の日本での生活が変わるわけじゃない。
綺麗で便利で時間に細かい社会で生きて行く。
旅に出て考え方が変わったとか人生観変わったと言う人がいるけど(それはそれでいいと思う。そう思えることは素直にすごい)
私はそうは思わなかった。
いろんな国の人の文化を知ることは出来る。
けど理解することは出来ない。
例えばガンジス川。
日本人からしたら糞尿や死体や生活排水が流された汚い川。病気が蔓延する原因でもある。
お金を出して清掃活動をするべき!なんて思う人もいるかもしれない。
だけど、インド人からしたらアレは聖なる川。
全能の神シヴァに触れた水は聖なる水であり、人間がいくら汚しても穢れる事のない水。
だから汚しても良いし、汚れてても聖水に変わりはない。
ガンジスで沐浴するのはインド人の夢。
日本人は入る事すら戸惑う。
知ることは出来るけど、理解はできない。やっぱり。
それは生まれた国が違うから仕方ない。
違う宗教の人間を憎んで殺しあったり、人種や肌の色で差別する人もいる。反対に自分が富を得たのは自分の代わりに貧しさを与えられた人間がいるからであり施しをすべきと考える宗教もある。
色々な文化や習慣、考えがある。
それは育った環境と受けてきた教育と生きている社会の違い。
ある日突然宗教に目覚めて改心する人もいるし、その国に移り住む人もいる。
それはすごいと思う。
そういう人はその国、宗教、人種、文化を"理解"してる人だと思う。
ただ世界一周して、日本に戻ってきて、また以前と同じように日本の社会で生きていく私は、ただ世界を見てきたってだけ。
日本は制度的にも民度的にも、みんな平等。
例えばホームレスになるにしたって最悪の最悪の状況にならなければ日本でホームレスなる事はほぼない。
でもアメリカでは、退役軍人がPTSDが原因で働けず援助もなくホームレスやってるなんてザラ。
だから日本人より、快くお金を渡す。
でもこれは悪い事じゃないと思う。
だってそれが日本人だもん。
郷にいれば郷に従えって思うけど、たった数日数週間数ヶ月そこに居るだけで、そこで生まれ育った人の感性を理解することなんてできない。
まずそもそもお風呂やトイレに土足で入るなんて有り得ないでしょ?
それは日本に土間や畳の文化があるから。
一旅人がその国や人の習慣を覆すなんて間違ってるし、私たちはお邪魔させてもらってる立場だからルールや習慣に従うけど、本当なら玄関で靴脱いで部屋の中は清潔にしてたい。
それは文化の違い。
でも旅に出てなんの意味もなかったかって言ったらそうじゃない。
意味はあった大いにあった。
○まず自分が意外と勇気があるんだって気づいた。
世界一周と言わず旅に出たいって思ってる人は日本中いっぱいいると思うけど、本当に行動を起こす人はかなり限られてると思う。
まぁ基本的にクレイジーなやつだけだと思うし。
仕事やめられないし…
お金ないし…
親が反対してるし…
英語喋れないし…
テロとか怖いし…
って全部言い訳!
やってみなきゃわかんないでしょ。
一歩踏み出す勇気!
よくこういうこと語ってる人の本とかブログとか動画とか見て感銘を受けました!私も変わりたいと思う!とか言うけど、結局みんなやらないでしょ?笑
まぁそれはそれでいいと思う。
やらないと言う選択をしただけ。
後先考えられるちゃんとした大人だと思う。
でも私達には結婚してるのに、家も仕事も全部放り出して旅に出るっていうクレイジーな選択をする勇気があった。
○世界中の景色を自分の目で見られた。
今の時代スマホでなんでも出来て、世界の秘境の写真や動画だって検索すれば1秒で出てくる。
だから現地に行かなくてもどんな景色かどんな色かどんな形か知ることが出来る。
でも現地に行かなきゃわかんない事もある。
その場所の迫力とかエネルギーとか、質感、匂い、移り変わる天候と景色とか、辿り着くまでの道中とか、裏側こうなってんだなーとかこういう人が住んでんだなーとか。
百聞は一見にしかず。
パレスチナだって日本の報道じゃ毎日爆破テロがあって内戦してて、行ったら拉致されるみたいなイメージだった。
みんなにも危ないって言われてたし。
でも全然違った。
平和な町。人も優しい。
たしかに宗教、民族対立しているし内戦しているのは事実。
だけどそれはガザ地区という地域の話であって、現地に行ってちゃんと見るまでその違いすらわからなかった。
ヨハネスブルグも警察の機能してない世界最恐都市なんて言われてるけど、信号待ちで襲われることもないし、交通ルールは日本並みに守られてて、本物の警察が日本より厳しくスピード違反を取り締まってる。
エジプトのピラミッドだってマチュピチュだって、写真で見たらすげー!って思ってたけど、実際見たら私にとっては正直拍子抜けだった。
日本で得られる情報は、その全てじゃないし正しいとも限らない。
自分の都合のいい事しか知らないしね。
だから行って自分の目で見て、思ってた通りだ。本当は違ったんだ。って考えられるのは本当に貴重な体験だったと思う。
そして最後に、
さっき文化や宗教を"理解"する事は出来ないって書いたけど、
○世界を"知る事"が出来た。
世の中にはこういう人がいるんだ、こういう文化があるんだこういう考え方があるんだって、教科書とかテレビとかネットとかそんなので見たことあったのかもしれないけど。
本当の事を知れた事。
これは大きいと思う。
世界を知ったから、日本は良い国だってわかった部分もあるし、日本のここがダメだなーって思う事もある。
知ってるって事は、大きい。
これからどうやって生きていこうか…将来どうするんだろう…
そんな事を考える時に、あんな人もいたしあんな考えもあったな。って思える。
日本にいて、社会の型にはまって、レールから外れないようにまっすぐ歩いて…
全然間違ってないと思うし、そういう人尊敬もする。
でも自分は違うかなー。とも思う。
それは前から思ってたけど、いろんな事を知ってより鮮明に思う。
日本では電車が5分でも遅れたら、みんなイライラして、車掌さんが謝って、それでも来た電車にすし詰めになって乗っていく。
でもほとんどの国では、公共交通機関が時間通りに来る方が珍しいし、なんなら来ない事だってあるけど、別に誰も怒らないし謝らない。
しょうがないもん。
来ないもんは来ない。
予定は狂うけど、しょうがないよ。他の方法見つけよ!
ってぐらいの気持ち。
特に貧困国は、そういう考え方の人が多い。
日本は発展してるし、先進国だけど、日本のそれが正しいとも限らない。
幸せの定義もそう。
世界一幸福な国ブータンはアジア屈指の貧困国。
でもみんな幸せを感じてる。
理由は
1日3食食べられて、寝るところがあって、着るものがあるから。
私って欲張りだなぁと思う。
幸せって言われたら、お金があって庭付きの広い家で犬と猫飼って、車があって、好きなことやって、友達と飲み会やって、家族とも仲良くて、いろんな国に旅行に行って…
あげたらキリない。
世界には衣食住ある、それだけで幸せっていう人がいる。
先進国の人間は後進国発展途上国の人間に対して、自分たちの幸福の価値観を押し付けがちだけど、その人たちにはその人たちの幸福がある。
もしかしたらこの先、世界のどこかの誰かのために何かする時がくるかもしれない。
その時に、こういう事を考える時間を得られたことがきっと役に立つと思う。
まぁ色々語ったけど、
世界一周は凄いことじゃない。
自分なんて見つからないし、価値観は変わらないかもしれない。
でも、やりたい事はやろう。
自分の人生だもん。
自分がいいと思ってるなら、
安定を求めて固く堅実に生きるのもいいし、
一度旅に出てみるのもいい。
もっとぶっ飛んで皆が思いつかないような事やるのもいいと思う。
という御託でした。
あと1ヶ月半でコロっと意見が変わるかもしれないけど(笑)